FOR YOU
性別のわからないあなたへ
いま世界のどこかでこのサイトを見ているあなたは、
自分がいったいどんな性別なのか悩みの中にいるのでしょうか?
長い間、あたしたちもそうでした。
それは世の中で知られているどんな性別にも自分が当てはまらないという感覚ですか?
ときにはいわゆるセクシャルマイノリティだと確信して名乗れるひとびとをうらやましく思うことすらあるかもしれません。
自分を分類する名前が用意されていないとわかったときから、自分が誰からも見えない透明な存在であるかのように感じるようになってしまったかもしれません。
このサイトを運営するあたしたちもずっと性別に悩まされてきました。
それは自分自身が同性愛者やその他のセクシャルマイノリティと知られる性別だからではなく、
自分自身の性別がそれらのどの性別にも分類できなかったからです。
だからずっと自分たち自身を不完全な存在だと感じてきました。
不完全なのは与えられた性の分類法のほうだと気づくのには20年以上かかりました。
さらに自分自身の性別を発見するのにはそこから10年以上かかりました。
世界中を見渡せば古くから様々な性別が存在してきました。
けれど、あるときから「男女」の2つにわけることが一般的になりました。きっとそのほうが都合の良い場面が多かったのでしょう。
そして最近は「それ以外」の存在を認めようと少なくない人たちが考えるようになってきました。きっと2つの性別だけでは不都合な場面が増えてきたのでしょう。
ひとは何かを整理すると安心します。その方法がシンプルであればあるほどより安心できます。
一般的に言われている性別というのもそのような整理法の一つでしかありません。
実際にはひとの性別というのはそんなに単純に分類できるものではありません。生き物にはさまざまな可能性があり、複雑な文化を持つ人間においては性についてもはや無限の可能性があるからです。
そうです。ひとは100人いたら100通りの性別を持っている可能性があるのです。いわゆる異性愛者と呼ばれる人たちの中にも無限のパターンは存在しうるのです。
けれど計り知れないものや、自分では理解できないこと、無限の可能性というのはとても恐ろしいものです。
だから多くのひとはさまざまなことを数えられるようにしたくなるのです。
けれどそれは一方で多彩さを低くしてしまいます。
だからもしあなたが、自分自身の性別がLGBTと呼ばれるセクシャルマイノリティを含む一般的などんな性別にも当てはまらないと感じるのならば、それは単純にあなたのような性別について想像できた人がすごく少なかったというだけのことです。
たったそれだけのことなのです。そこには何の優劣もありません。メジャーな性別が正しいということも、マイナーな性別が優れているということもないのです。
人は最初から多様であり、あなたがあなたであることだけで、すでにあなたにしか持ちえない固有の可能性を持っているのです。
もしあなたが自分の性別がわからずに悩んでいるとしても、それはあなたが知っている性分類の中にたまたまあなたが当てはまらないというだけかもしれないのです。
そのことについて考えることはとても有意義なことだと思います。しかし、どんな分類法にもひとのすべての多様性を網羅することはできません。
あなたや他の人々が生まれたときから持っている独自性という美しさは、どんな分類法にも脅かすことができないものです。
大切なのは自分自身の可能性を疑わないことです。もし、知っている性別に自分が当てはまらないのであれば、性別の選択肢自体がおかしいだけなのです。
マイナーな性別だからといって優れているということはないと言いました。
ただ個人的には、この世界は多様性が高いほうがより魅力的だろうなと思っています。
もしどこかに、いまの性別の分類法に当てはまらないひとがいるとすればそれは世界の可能性が広がるチャンスかもしれません。
いま居る場所に居場所がないように感じたとしても、あなたを受け入れる才能をもった場所は必ず存在します。
何より、あたしたちはあなたという多様性が存在する世界が好きです。
そして、世界もきっとあなたという彩りを誇らしく思っているはずです。
もしあなたが自分自身を透明な存在のように感じるときがあったとしても、そのことを決して忘れないでください。
そして、もしそれでも耐えられなくなればあたしたちにそう伝えてください。たいしたことはなにもできないかもしれませんが、あなたの可能性をあなたに伝えたいと思っています。
YABS 代表